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2013/03/29

α Owner's Magazine 「SAL50F14Z」

α Owner's Magazineより、一部抜粋です。
元文章にある画像や、詳細説明については省いています。
読んでいて個人的に面白かった部分を強調しています。
以下

大竹 : はじめに新しいレンズを紹介させてもらうと、このPlanar 50mmは、今までのPlanarと違いガウスタイプではないというのが第一にあります。ガウスではないPlanarというのがかなり画期的で、ガウスを超えるというこれまでにないレンズ設計に挑戦しました。レンズ構成は5群8枚で、非球面レンズを2枚使っています。今までのガウスタイプでは非球面レンズ1枚というのはありましたが、2枚の非球面レンズを使うというのは今回はじめてなんです。
 普通のガウスとレンズの並ぶパターンもぜんぜん違います。ガウスは対称型で絞りの前と後ろも、パワーの配分が均等になるのですが、このレンズは前がアフォーカルに近く、対称型ではないんです。そこが大きく違っています。前側の非球面レンズがF1.4の明るさを実現するために入っており、後ろ側の非球面レンズが像面湾曲を抑えています。

小澤 : 構成されているひとつひとつのレンズが違うっていうのはおもしろいですね。

大竹 : そこが大変だったところなんですが、ガウスは四隅のところでサジタルコマフレアが発生しがちなのですが、ガウスタイプをやめることで、それを極端に抑えました。この辺がガウスを超えるというところですね。それからガウスでは低周波と高周波でピントの合う位置が微妙にズレることもありましたが、その辺も今回のレンズは非常に少なくなっています。
 さらに今までは、レンズ全体が動くフローティングフォーカスが多かったのですが、今回はリヤフォーカスに変えています。この点もこれまでの設計とだいぶ違うところです。

小澤 : 実際にこのPlanarを試させてもらって感じたことですが、一体感とぬけのよいコントラストが非常にいいですね。この写真では、生の太陽の光が当たっているんですが、服の感触まで生々しく出ている。同じように肌や髪の毛、目もどんな感触かわかります。
 もう1枚は、この背景の荒々しい部分と目の輝きの落差がいいですね。特に驚いたのはこの目の濡れたような質感の描写。こういう透明感はいままでなかったかもしれない。本当に不思議なほどの透明感です。
 ちょっといじわるな撮りかたもしていて、木漏れ日を受けてわざとフレアを入れているんですよ。フレア耐性を試しながら撮ってみましたが、フレアはかなり少ないですね。光量も足りなくて、限界かなと思えるような場面でしたが、このレンズは撮れましたね。カメラの感度がよくなったことも大きいとは思いますが、レンズの耐性はかなり高いと思います。

小澤 : 僕は標準レンズにしかできないことがあると思っていて、ひとつは撮りかたによって少しワイドに撮ったり、望遠のように寄れること。35mmから80mmくらいまで表現できるので、そこが工夫しがいがあって創作の余地がある。
 もうひとつは、開放のときに望遠レンズよりも溶けるようなぼけ方をすること。焦点があったところは先鋭なのに、後ろは思いっきり溶ける。そういう部分を生かしながら前の50mm F1.4をよく使っていました。でも、今回のPlanar 50mmは、ピントが合ったところはカリカリきていますが、後ろのぼけはどちらかというと少し固めになっていますね。

大竹 : 実はPlanar 85mmのときに、かなりぼけを重視したところがあったので、今回の設計では、カールツァイスの味であるコントラストをとことん追求してみようと思いました。

小澤 : なるほど、そうだったんですね。

大竹 : 最終的なMTFでは、高周波40(本/mm)だとそんなに目立って高い感じは見られませんが、低周波10(本/mm)から中周波20(本/mm)だと明らかに中心が高い上に、周辺部分のところまで高いままになっています。これがさっき言ったサジタルコマフレアを抑えているということで、絞り開放から画面周辺部の像も流れることなく点として写すことは、今までのガウスではなかなかできなかったところです。

小澤 : 今回このPlanarの50mmでは結構絞って使っているんですよ。開放じゃなく、なぜか少し絞りたくなるっていうか、絞っても大丈夫なレンズなんですね。前の50mm F1.4はF2からF2.5がすごくいい写りをしていましたが、このレンズに関しては少し絞ったところが妙にいい。開放近くのぼけのきれいさは言うまでもないのですが、絞った状態は圧倒的にPlanarの50mmの方がいいと思う。このレンズはF5.6まで絞ったときにひと味違う個性が出てくる。それは理屈にあうかわからないけど。

大竹 : その実感は設計の面から見ても合っていると思います。球面収差が少ないので、絞ってもピント面が変わらないので。
 実際にどう写るのかを定量的に見ようと思って、開放で撮ったのですが、中央部のディテールまできちっと出ています。しかも、開放でこれだけ写っていて、絞るとさらに引き締まった形になる。今までのレンズは少し甘くて絞ると見えるという感じでしたが、今回は開放でも今まで以上に写る上に、絞るとさらにガッと上がるというのが、だいぶ違うところだと思いますね。

小澤 : 開放から同じ感覚で絞れていくんだ。それは神業ですね。絞ってもぼけが煩わしくならない。だからこういうピントが合っていないところの水の質感まで出したくなる。開放だとぼけ過ぎてしまうので、このくらいの絞りが心地いいんだよね。

大竹 : 本当にボケを追求していくと、Gレンズの描写に似てきてしまいます。今回はカールツァイスレンズとしての描写を追求して、コントラストやシャープさをかなり重視していますね。

小澤 : キレイに撮れるレンズはいっぱいあるけど、この髪の毛の艶っぽさというのはこのレンズの持っている何かなんですよ。触ったときの感じがわかることと、細かいところが写るというのは相反するときがあって、ただ細かく写ればいいっていうものではなくて、それをたぶん空気感と呼んだり、味と呼んだりすると思うけど。

大竹 : 本当にレンズの味っていうのは難しくて、コントラストだけではなく、ぼけたところの写りまで含めた味付けをどうするかということを、今回我々の中でもいろいろ議論して、最終的には私と光学設計のリーダーと2人で話して、もうこれしかない、これで行こうと決めました。

小澤 : カールツァイスとGレンズ、2本のレンズラインがあるので住み分ければいいじゃないですか。Aを立てれば、Bが立たないというのが画作りで、それは僕たちの写真の現場も同じですね。今回はこれで行くと決めた方が、おもしろいものが撮れる。逆に個性がないとおもしろい写真はできませんからね。

大竹 : その通りですね。

小澤 : そのひとつの答えが、このPlanar 50mmなんですね。超広角とかはビジュアル的に分かりやすいけど、標準レンズというのはじわじわと良さを感じるレンズで、特に上級機を買っている方なら、これをじっくり味わって欲しいですね。

小澤 : デジタル以降のαレンズは過去を引きずってないですね。
僕たちがいいレンズだと言っているのは、過去を引きずっているレンズも多いんですよ。

白石: そうですね。デジタル一眼が普及し始めたのが2000年ちょっと過ぎ、21世紀といっていいと思うんですけど。20世紀のレンズと21世紀のレンズでは、やっぱり違いますね。それに鑑賞するときのサイズがピクセル等倍で見たりするので、一般のお客さんがレンズに求めてくる要求がもの凄くあがってきていると思いますね。

小澤 : だけど標準レンズが良くなるっていうのがマニアックですね(笑)。

白石 : 実は、α900ユーザーから50mmのツァイスレンズを出してくれとずっと言われ続けていまして。ただもともとあった50mm F1.4とは全然違うレンズですね。もちろん価格帯も違うので単純に比較はできないのですが。

小澤 : 僕は前の50mm F1.4の描写もすごく好きなんですよね。ポートレートでシャープだけど色っぽい瞳ってありますよね。この瞳の中の質感、透明感がわかるのが前の50mmの大きな魅力でした。今回のPlanarでも今までの50mmと同じ使い方をしてみましたが、それよりもっと生っぽいんですよ。標準レンズなのになぜか中判っぽい写真が撮れるんです。α99とこのPlanar 50mmの組み合わせは、ある意味手持ちでバシャバシャ撮れる中判カメラなんですよ。

白石 : そこが味というか、まったく違う個性を見せるレンズですね。今までαレンズで同じスペックのものが2本同時にあるということは、ほとんどありませんでした。やはり、今の設計と当時の設計で、素質が異なるレンズになっていると思います。

小澤 : 昔の銀塩レンズをつけるとみんなが驚きますよね。Planarの50mmもそれくらい進化している。一般的には知られていないかもしれないけど、デジタルになってレンズはもの凄く進化している。デジタルになってからセンサーの能力にレンズが追いつかないと言われていたけど、そんなことはないですね。ボディの方ばかりが目立つけど、レンズも同じように大革命を経ているんですね。

白石 : そうですね。

小澤 : 僕らカメラマンはやっぱり撮らないと分からないことも多くて、経験を積んでいく中でレンズの癖と自分の作風を擦り合わせていきます。最初は固いかなとか思っていても、シチュエーションが変わったりすると、この髪の毛の質感は今まででなかったよねとか気づいて、次はこう使ってみようとか思いますね。
 カメラには作るときと撮るときの両方にクリエイティブがあって、撮影していると作り手側のクリエイティブを感じることがある。このカメラはこんな工夫がされているんだ、ならこっちもその上をいくように撮ってみようとか、そういう知的交流が生まれるんです。実際にはレンズを作る行程がどんなものか僕は全く知らないんですけどね(笑)。

大竹 : このPlanarの設計に関して言えば、最初は少人数ではじめたものの、あまりにも設計が難しくて、最終的に多くのレンズ設計者が関わっていますね。

小澤 : それはパートごとに設計されていったんですか?

大竹 : いえいえ、みんなで競争です(笑)。個人でいくつもの設計を比較しながらやりたいけど、その時間もないし、設計もかなり高度なので。

小澤 : みんな競わせて、いいとこ取りしようと(笑)。

大竹 : そのくらい本当にガウスを超えるのは大変だったんです。設計としては、どうやってガウスを超えるかというのを散々考え抜いて、対称性を崩すことにたどり着いた。根本の設計を変えることで今の写りが実現できています。

小澤 : ガウスを超えるのがいかに大変かは、ニュアンスとして知ってほしいですよね。

大竹 : やっぱりガウスはパーフェクトなレンズだったんですよね。設計のプロセスを車の運転に例えて言うと、ガウスを超えるっていうゴールは分かっていても道がわからない。見えない道をみんなで走るんですね。その中で、ゴールが見えない中で設計している人もいれば、ゴールが見えた状態で設計している人もいて、それがやっぱり腕だったり、勘だったり。

小澤 : 素人考えだけど、ゴールが見えてない方がいいものができる可能性もあったりして、おもしろいですね。

大竹 : 一番おもしろいのは共感するってことなんです。1人が新しいものをつくると、周りに響くんですよ。そうすると、それまでにないような連鎖反応で、どんどん新しくなっていく。それは本当におもしろい。そして追い込まれたときの方が、新しいアイデアが出やすいですね。

小澤 : 僕たちも過酷な撮影になるように自分たちで仕向けますからね。そうすると火事場の馬鹿力が出ますから。

大竹 : (笑)

小澤 : 本当にデジタルになってレンズは恐ろしく進化しているけど、過去から解き放たれるとPlanar 50mmのようなレンズが可能になるんですね。間違いなくデジタルになってハードルが上がっていると思うけど、これからもどんどん新しいレンズを出して欲しいですね。

大竹 : 今日の座談会では、小澤先生との間にまるで強い電気が流れたように共鳴した気がしました。僕ら設計者はレンズを通して、自分の思う写りを表現します。今回のPlanar 50mmは標準レンズだからこその難しさがあり、今までのレンズをどうやって超えるか、本当にみんなで苦労しました。でも、小澤先生は僕らの意図を見事に把握されていて、その瞬間「あ、伝わった」とビビッと感じたのです。恐れ多いのですが、先生の表情も同じだったんです。今までさまざまなレンズ設計に携わってきましたが、初めての体験で鳥肌が立ってしまいました。



レンズ紹介
最新の光学設計により、高い解像力とコントラストを実現した大口径単焦点レンズ。非球面レンズを2枚使用した5群8枚の光学設計により、諸収差を良好に補正。「プラナー」の名にふさわしい像面平坦性を実現しています。また、非球面レンズとリヤフォーカシング方式の融合により、無限遠から近距離まで高いコントラストを達成。絞り開放からヌケの良いシャープな描写を実現しています。開放F値1.4と円形絞りによる美しいぼけも魅力です。さらに、レンズ内蔵のSSM(超音波モーター)により、迅速で静粛性の高いAFを実現。フォーカスホールドボタンも搭載し、操作性にも配慮しています。



レンズビジネスユニット長 長田氏
 いつもαをご愛顧いただき本当に有難うございます。この場を借りて御礼申し上げます。さて、多くのαユーザーの皆様から嘱望されておりました50mm大口径単焦点のカールツァイスレンズですが、このたび「Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM」(以下、Planar 50mm)として、新たにレンズラインアップに加えさせて頂きます。
 このPlanar 50mmは、カールツァイスらしいハイコントラストで、クリアで抜けの良いシャープな描写力や円形絞りによる美しいぼけ味はもちろんのこと、所有欲を満たす質感やデザインなど、快適な撮影のための全てにこだわり抜いた光学技術と電子技術の粋を極めたレンズに仕上がっています。「早く出して欲しい」という声を数多く頂いておりましたが、そのご期待に十二分に応えるレンズができたと自負しており、満を持しての発売となります。
 また今号でもご紹介させて頂きましたが、α99は、このPlanar 50mmのポテンシャルを最大限に引き出せるカメラです。ぜひ皆さまにはα99に装着していただき、撮るほどにその魅力に引き込まれるような描写を存分に堪能して頂ければと思います。
 カールツァイスレンズを含め、高性能レンズであるGレンズなど、ソニーはレンズ技術にますます磨きをかけ、Aマウント、Eマウントのαレンズのラインアップを拡充させてまいります。これからもαユーザーの皆様のご期待に沿えるレンズを開発して参りますので、ぜひご期待ください。

以上。


ガウス(ダブルガウス)ではないガウス亜種のプラナーということで、これはいろんな意見があると思うのです。
形式ありきというレンズ愛好家の方もいますから。
「ガウスでなければプラナーではない」みたいな。
でも、プラナーの画像全体が平たんに写せるという根源のコンセプトを追究したとしたら、ひとつの正解なのだと思います。
私は、結局好きかどうかの判断基準しかないので、そこら辺はこだわりがありません(笑)

そして切っても切れないサジタルコマフレア。
これは、SIGMAの30mmF1.4ExDcを使用していて気になったから知っていました。
SIGMAも新型ではガウスではなく、確かレトロ形式を採用しましたね。

リヤフォーカスというのは少し意外でした。
何故そうしたかへの言及はありませんから、気になるところです。
私はフローティングフォーカスの方が高画質なレンズが多いという、なんとなくのイメージがあります。
AF速度や、防塵防滴なんかにも配慮したかもしれませんが。

逆光時のフレアが少ないというのは期待通りです♪

ボケは少しかためとあります。85mmF1.4との対比が考えられていたのですね♪

中心から周辺まで、開放からOKで、絞っていってもOK、そんなのあり?と思いますが、最新のレンズですし、期待してしまいますね。

コントラストとシャープ重視というのは、やはりカールツアイス基準なのですね。
確かカールツアイスの基準にはボケに関する評点は設けられていないと、関連文献で何回か見てきました。
しかし結果的には、そのボケが好きだという方が多いのは、興味深いなとも思います。

設計は困難だったのですね。
新人が設計したとか、数か月で設計完了したとか、奇跡的な逸話のある人気レンズもありますが、こちらは難産。ハードルの高い設計だった事が伺えます。
歴史あるガウス形式のプラナーに挑んだその結果は、是非いつか自分でも味わってみたいところです。



★私が楽しみに見ているブログの最近の記事紹介★  デジタル一眼レフや、ミラーレスのカメラやレンズについての話題が中心です。
カメラ、デジタル一眼レフ、ミラーレス、コンパクトカメラ、コンデジ、デジイチ、3Dカメラ、α550、α900、EOS kissX3、DP2、K-r、OM-D E-M5、RX1、S5IS、SD1Merrill、レンズ、広角、標準、望遠、大口径、ズーム、高倍率ズーム、単焦点、マクロ、AF、MF、ティルト、シフト、魚眼、テレコン、ワイコン、CANON、COSINA、CYBERSHOT、EOS、EXLIM、FINEPIX、FOVEON、IXY、LEICA、LUMIX、NEX、NIKON、OLYMPUS、PANASONIC、PEN、PENTAX、Q、POWER SHOT、RICOH、SIGMA、SONY、TAMRON、TOKINA、ZEISS、ZUIKO、α、4/3、μ4/3、キヤノン、コシナ、サイバーショット、イオス、エクシリム、ファインピックス、フォビオン、イクシー、ライカ、ルミックス、ネックス、ニコン、オリンパス、パナソニック、ペン、ペンタックス、パワーショット、リコー、シグマ、ソニー、タムロン、トキナ、ツアイス、ズイコー、アルファ、フォーサーズ、マイクロフォーサーズ、写真、画像、現像、RAW現像
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